2013年10月5日土曜日
戦間期の経済理論、経済政策論、社会哲学の相関的探究
平成13年度-15年度 科学研究費補助金研究成果報告書
基盤研究(C)(2)
戦間期の経済理論、経済政策論、社会哲学の相関的探究--- 「ヴィクセル・コネクション」を中心として
平井俊顕
目次
まえがき
第1部 ヴィクセル・コネクション
第1章 貨幣的経済理論の出発点 ― ヴィクセルの累積過程の理論
1.ヴィクセルの問題意識
A.相対価格の理論と貨幣価格の理論
― 「古典派の準2分法」
B.貨幣数量説および貨幣の生産費説批判
C.2つの問題
2.ヴィクセルの貨幣価格理論 ― 累積過程の理論
A.基本的な想定および特徴
B.累積過程の理論
3.ヴィクセルの経済政策観
4.ヴィクセル理論の評価と影響
5.補論:カッセルの景気変動論
第2章 ストックホルム学派 ― ミュルダールの内在的批判
1.ミュルダールの問題意識
A.ミュルダールの問題意識
B.ミュルダールのヴィクセル理解
2.ミュルダ ルの内在的批判― 貨幣的均衡
A.基本的なスタンス
B.中心的な理論構造
3.ミュルダールの経済政策観
4.ミュルダール理論の位置づけ
5.補論:リンダールの理論
第3章 オーストリア学派 ― ハイエクの相対価格と迂回生産の理論
1.ハイエクの問題意識
A.第1の段階― 貨幣数量説
B.第2の段階― 貨幣量と諸価格の因果連鎖理論
C.第3の段階 ― 貨幣数量の利子率への影響、および利子を通じての消費財ならびに資本財にたいする相対需要への影響に関する理論
D.第4の段階 ― 相対価格と迂回生産の理論
2.相対価格と迂回生産の理論 ― 自発的貯蓄と強制貯蓄
A.ハイエク理論の基本的枠組み
B.自発的貯蓄のケース
C.強制貯蓄のケース
D.ハイエクの判定
3.ハイエクの経済政策観
4.ハイエク理論の位置づけ
5.補論:ミーゼスの理論
第4章 『貨幣論』のケインズ
1.ケインズの問題意識
A.バンク・レート:伝統理論とケインズの理論
B.投資と貯蓄をめぐるケインズの理解
C.貨幣数量説にたいするケインズのスタンス
2.『貨幣論』の理論構造
A.理論構造の定式化
B.信用循環論
C.問題点 ― 『貨幣論』の2重性
3.『貨幣論』の位置づけ
A.『貨幣論』の2重性
B.諸論点の3名との比較
第5章 相互比較 ― 同床異夢それとも呉越同舟?
1.貨幣的経済学の構築 ― 新古典派経済学批判
2.理論構造の異同点
A.4者の理論構造
B.共有と相違
3.見失われた潮流
第2部 ケンブリッジの経済学
第6章 ホートリーの経済理論
第7章 ロバートソン ― ラッキングの経済学
1.ロバートソンの問題意識
A.『銀行政策と価格水準』の主題
B.周囲の評価
2.基本的な理論構造
A.「非貨幣的(実物)要因」― 生産量変動の原因
B.貨幣的要因
3.景気変動論
A.短期ラッキングのケース
B.長期ラッキングのケース
4.他の理論との比較・評価
A.ヴィクセル・コネクションとケンブリッジ・コネクション
B.ロバートソンと(『貨幣論』の)ケインズの相違点
補論:ロバートソンの貨幣数量説
むすび
参考文献