2018年5月31日木曜日

(メモ)トランプをめぐる疑惑の新たな進展

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(メモ)トランプをめぐる疑惑の新たな進展

・昨日、ニューヨークの裁判所でマイケル・コーエンにたいする喚問セッションが行われた。それに関連してそこに出席したアヴェナッティがMSNBCで語っていることがある。それによると、「 (ポルノ・スター)ストーミー裁判との関連で重要な事実が明らかになっている。2016年の夏に、例のNDA 合意(口封じ)に至る過程で、ストーミーの当時の弁護士が敵方であるマイケル・コーエンにたいし、トランプに有利になるように取り計らう話し合いをしていたことが、「テープ」として残っている」という。アヴェナッティはその存在をリポーターから聞いたようで、その人物は実際にそのテープでの会話を聞いた、と述べており、アヴェナッティはabsolutely と確信している。これはコーエンとライアン (ストーミーの当時の弁護士) とのあいだでの会話であるが、顧客の秘密をビジネスのネタにする行為は許されざることである。
  コーエンは、例のFBIによる捜索の前に、かなりの重要な資料を「シュレッダーにかけて消却処分」したことが判明している。だが、検察当局は、屑かごか何かに残っていた、ザクザクになった書類も押収しており、ある専門家の話では「それらを回復して読むようにすることは可能」とのことである。その折の討論で「コーエンは安物のシュレッダーを買ったからこういうことになるんだ」的ジョーク交じりの笑い話が飛び交っていた。

・特別検察官ミュラーに関連して、次のような情報というか、事実が明らかにされている。およそ次のような話である。

 ポール・マナフォートは長年にわたり、ウクライナで活動し、その大統領ヤヌコヴィッチに仕えることで巨額の報酬を得ていた(が、彼は外国でのこうした活動をするにさいしての必要な登記手続きをとっていない)。この人物はプーチンとの関係がきわめて深いことで知られていた。ところがウクライナでヤヌコヴィッチにたいする激しい批判行動が発生し、ついにはヤヌコヴィッチはモスクワへ逃亡することになった。このことでマナフォートは蓄えていた資金を引き出すことができなくなり、たちまち金策に窮する事態に陥った。そしていろいろ手をつくして融資をもちかけても、相手にされず、困っていた。そしてマナフォートは、融資に必要な財産や資金状況などについて、まったくのでたらめの数値を書き込んでは、審査を申し出るもことごとく断られていた。
  2016年、こうした折り、大統領候補トランプの選挙本部長が辞任することになったとき、名乗り出たのがこのマナフォートであった。彼は、「給与なしで引き受ける」というありえない表明をして、実際に選挙本部長として活動することになった。彼は、アメリカの政治・政界とは何の関連もない人物であるが、ロシア、ウクライナ、そしてプーチンとのつながりが深い人物である。
  マナフォートが直ちにとった行動だが、それはこの肩書を利用して融資先を探し、ついにある地方の銀行の頭取から巨額の融資を受けることに成功したのである。そしてこの頭取にたいし、トランプが当選したあかつきには、軍事関連の長官に推挙するというような交換条件を付けていたようである。この頭取が実際に、関連官庁にこの関連で問い合わせしていることまで明らかになっている。
  今回、この関連で重要なことが生じたのは、当時、マナフォートの子分のようにして密着した活動をしていたゲイツという人物が、plead guilty に応じることになった、というものである。つまり、「洗いざらい話します」という司法取引である。こうなると、徹底抗戦を続けているマナフォートは益々追い詰められることになる(裁判で争う姿勢をとっていると、数十年の懲役刑になる可能性がきわめて高い行為を行ってきている人物である。)

・もう1つ、興味深い話がある。それは上院議長のマッコネルが、FBIやミュラーの調査を「正しいもの」という評価を下した点である。これまでトランプにたいしてヘイコラしていたマッコネルが、立場を変える行動を示したという点である。今後の行方が注目される。

・トランプは、これまで2000回のウソをついてきたことが、報じられている。そしてトランプはツィッター以外に、選挙演説活動のようなことを常時行ってきているが、そこにトランプ支持者がかなりつめかけており、そこで例によって、気に入らない人物については考えられないような罵詈雑言で話している(それはすべて公開放送状況にあるからだれでも見ている)。その状況にたいしそこに参加している聴衆が声援を送り続けているのである。これはアメリカのモラル的退廃の象徴的出来事である。1回のウソでも通常の国では首が飛ぶ話であるのに、2000回である。しかも彼は一度も謝罪したことがない、という病気をもっている。これは本人の特性だからどうにもならないが、もっと問題なのは、いまだにトランプが大統領職にあって好き勝手にふるまっていることを許容するアメリカの異常な状況である。一刻も早い退陣が待たれる。