トランプ、民主党との合意、共和党を無視して!? 水曜日に、考えられないことが起きた。トランプが民主党のシューマー、ぺロシ、および 共和党のライアンとマッコネルと、ホワイト・ハウスで会談をもった。このこと 事態、ありえないシーンなのだが、会談の重要なポイントは、すぐに終わった。 共和党側が用意してきた案および民主党側の見解のやりとりをトランプは聞いていたが、 そして財務長官があいだに入って発言し始めたところ、それをさえぎり、「オッケー、 決めた」的発言をした。その意味するところは、共和党側が仰天することだが、民主党の いうことに「合意」するものであった。 トランプはこの日、最初から共和党を完全に無視して民主党の要求を飲んだのである。 トランプは当初から、ライアンとマッコネルを無視する態度に出ることを決めていたよう である。その背後に多数政党である共和党がいることなど、まったく眼中になかったようである。 重要なのは、デット・シーリングの拡張を12月8日まで許容すること(共和党側の原案は 18か月であった)、そして、つい最近、決めたばかりの6か月以内にDACAを廃止するという指令を 撤回することに同意したばかりか、ロペシによれば、これらの証明書のない、幼少時にアメリカ にきた住民の滞在を認める方向の案の方向に同意した。さらに、半年云々の話を撤回する旨の ツイッターをペロシが要請したのだが、トランプはそれに応じて、その旨、ツイッターしたのである。 いままでほとんど言及されていなかった話だが、トランプは民主党に肩入れしてきており、とりわけ シューマーとは同じニューヨーカーとして献金を含め、「多くの点で意見が合う」と述べていた。 (実際、シューマーとトランプは終始、会談中、親密な雰囲気がただよっていたが、これはライアンに たいする冷たい仕打ちと対照的であった、と目撃者は述べている。トランプは会談後、彼らを 「チャック、ナンシー」とファースト・ネームで表現している。) もう1つ驚くのは、トランプが大統領専用機に民主党のノース・ダコタ州議員を載せ、その州に 向かい、彼女を支援する演説を行ったという点である。 *** こうなってくると、トランプはクーデター的に、共和党を見限り、突如、民主党側につくという 行動をとったように思われる。トランプのこの行動は、共和党自体を大いに混乱に陥れているし、 民主党側も、今後、トランプにたいしどのように対応していくべきなのかについて、同様に 大いなる困惑状態に陥っている。トランプはその日、その日で言うことが変わるのが日常だからであり、 予測不能だからである。とはいえ、今回のこのトランプのスタンスは、それとは次元の異なる ものであり、これからのアメリカ政治の動きをきわめて予測不可能な事態に陥れるものである。 |