2013年9月1日日曜日
ネット社会雑感
ネット社会雑感
・パソコンの善し悪し・・・いまはタブレットや分離型が最先端になっているが、事実上、古いパソコンでも何の問題もない。私もこれまで何十台とパソコンを乗り換えてきているが、現在使っている主力機はデルの古いものである。これを9000円で中古業者から購入した。半年あまりになるが、まったく問題なく私の仕事をこなしてくれている。手元にはNECの最新鋭のものもあるが、これは結論をいうと使い物にならない(2年ほど前に10万円ほどで購入した。しかも「特価」ということで)。
OSは当然古く、XPであるが、これは使いやすいのである(最近、マイクロソフトのCEOが辞任を表明した。彼が一番後悔しているのが「Windows Vista」の開発のことであった。分かります。)
・業者の攻勢・・・いまやソフトはほとんどフリーである。以前の状況を知る者にとっては、今浦島の感がある。フリーといってもすべて非常に優れており、新しいソフトを買うインセンティブはゼロといっていい。
こういうなかで、業者はあの手この手の販売戦略を練っている。一番多いのが優れたフリーソフトを提供することで、ユーザーを自社の網に取り込むことである。そしてさまざまのかたちで販売広告を送りつけてくる。
・ウィルスの攻勢・・・これには、数ヶ月前、ひどい目に会った。意味のないポップアップが絶え間なくデスクトップに現れて作業の邪魔をするというもので、どのような方法をとっても除去できないということが起きた。結局、初期設定をするしかなかった。いまではウィルス・チェックは毎日行うようになっている。ときおり、トロイの木馬がシステム破壊に現れるが、このソフトのおかげで除去できている。
・ダウンロード上の注意・・・ソフトをダウンロードするときに注意が必要である。あるソフトをDLしようとする。すると次の画面に行ったときに、事情を知らないユーザーは、目当てのソフトでなく、別のソフトをインストールしてしまうことに陥る危険性が高い。それがマルウェアでなければいいのだが、マルウェアの場合は、ウィルスを自分で引き込んだことになり、問題を抱え込むことになる。
なぜそうなるかというと、じつにまぎらわしい方法で「ダウンロードはここです」的な誘導が出現するからである。悪意のある者が仕込んでいたりする。
・いろいろな勧誘・・・申込書に本当のことを書き込むのはできるだけやめた方がいい。それらのリストは必ずもれることを覚悟しなければならない。「秘密は絶対に守ります」という言葉、ネット社会ではこんなの何の意味もない。表沙汰になっても、「何十万件の顧客ファイルが流出しました。今後こういうことのないように万全の措置をとります」という一片の言葉で済まされるだけである。ロシアで、「機密事項はネットを用いず、伝統的な方法で流す」という方針が発表されたのも、軌を一にする問題である。タイプライターで作成して、オートバイで届ける方が安全やもんね。
・プライバシーの侵害というか侵略・・・ネットの暗い部分である。使用者のパソコンに四六時中、侵入してきている。銀行口座やクレジットカード番号の盗用、システムの破壊、そして個人への執拗な広告である。ユーザーが自分で選べるのであればいいのだが、これはデスクトップ上に勝手に入り込んできて、かつ今では、検索した情報をもとに、それに関連した「連動型広告」を採用しているから、そのユーザーにきわめて関係のある広告を執拗に押し続けている。たとえば、ユーザーが「ハゲ」だったとする。すると、カツラとか、育毛剤とかいった広告を、その人のパソコンに「執拗に」(ソフトだから、いくらでも送り続けることができる。そう設定しておけばいいだけのことであるから。time =1 sec. この場合、1秒ごとにPCに入ってくることになる)送り続けてくるのである。業者側の言い分は「お客様が最も必要としている情報を的確に提供する」というものだが、それは、ユーザーが非常に気にしていることをズバズバと部屋のなかにまで押し入ってきて(ユーザーはそれを阻止することはできない)、「ハゲが治りますよ。この薬どうですか」とやるのと同じ行為である。これはプライバシーの侵害であり、業者のモラル・ハザード行為なのである。
・現実と仮想の境目がますます曖昧に・・・アメリカの兵士がテキサスの自宅から基地にでかけ、パソコンの前に座って一日の仕事をする。彼の任務は、アフガニスタンでの爆撃機である無人機を操縦することである。何発か、何十発かの爆弾を落として、彼の任務は終わり、夕方帰宅して、テレビをみる。
街では少年が、ゲーム・センターで戦争ゲームに夢中である。どうやって敵を倒すかを競い合う。
アメリカの兵士の行っていることと、少年が行っていること、これはまったく見た目には同じだ。兵士の場合は、国家の、軍の命令のもとに行っている。アメリカの「国益」のために。少年の場合は、たんなる憂さ晴らしのようなもので、ブラックなスポーツ感覚である。
ネット社会では、こうした現実と仮想の境目がますますはっきりしなくなっている。危険な兆候であるが、だれもそれを阻止できないような事態に陥っている。