2016年2月21日日曜日

おそろしく不安定な情勢に突入してしまった世界(つぶやき)



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おそろしく不安定な情勢に突入してしまった世界(つぶやき)


・2008年のリーマン・ショックは世界の「経済の危機」であった。

が、「地政学的な変動」をもたらすことはなかった。

・いまは、「地政学的な変動」がもたらす「危機」の様相と、それに

伴う広大な地域における内戦と、そしてロシア、中国の覇権国家を

狙うという意図が明確に表明されている局面に突入している。

その象徴がシリアであるが、合わせて、EUのガバナビリティが崩壊

しようとしている。


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・アメリカはこの地政学的シフトを抑えることができないまま、影響力を

喪失してしまっている。EUには軍事的な力の結集はない。


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・アメリカ軍がリビアにいるイスラム国への空爆を実行している。が、局所的な

動きにみえる。

・90年代初期の湾岸戦争や2003年のイラク戦争のような「力」はいまや見られない。

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・同様の内乱的状況は、アフリカの広大な領域でも生じている。

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こうしたなかで、いまキャメロンがEUとの再交渉を行っているというのも、皮肉な話である。

もともとイギリスの目的は、EUに譲渡しすぎた主権の一部を取り戻すというものであり、

ヨーロッパの統合運動という見地からみれば、そこから一歩退けることで、EUにも席を

残しておきたい、という類いの再交渉である。

 このようなことをしているときではEUはまったくないにもかかわらず、多大なる時間を

用いてこの交渉がいま行なわれているというのは、たまたま時期が重なっただけとはいえ、

皮肉な現象である。

 イギリスは、難民問題にも当初からオプト・アウトしており、引き受ける責任は最初から

はずされているのである。

 元々、イギリスのEUへの関与は、二の足、三の足的なものであり、今後もそうである。

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当面は、シリアでの戦闘がどういうかたちで落ちつくのかが最大の関心であるが、しかし

それがどういうふうになろうとも、一度形成された新たな地政学的進展を以前に戻すことは

できないであろう。ではどのあたりで落ち着くのかだが、いまのところまったく見えてこない。

それに当のアメリカは、大統領選で例のお祭り騒ぎを長期間にわたって繰り広げて行くわけだから、

ロシアや中国はそれを見越して行動を自国の影響力の有利なように動いていくことに

なるであろう。

 世界は非常に不安定な方向に動いている。