2016年2月19日金曜日

世界情勢についてのつぶやき





世界情勢についてのつぶやき

20世紀の世界

・大きな転機は、第一次大戦であった。

これは基本的には大英帝国とその牙城を脅かす新興国家ドイツ

との経済的・軍事的対立である。そこにバルカンなどの民族紛争

のようなものが付加されていた。

 いわゆる帝国主義の時代で、西欧列強が世界の各地を植民地化

していた時代である。だが、西欧では100年間戦争はなかったのである。

平和ボケしていた西欧に経済的・軍事的緊張が高まるなか、諸国民は

戦争の勃発に喜びを見せていたのである。

 だが、この戦争は後に第一次大戦と呼ばれるほどの闘いとなり、終わったときには

深刻な影響を遺すことになった。

・ロシア帝政が崩壊し、レーニンのソ連が出現。ドイツは巨額の賠償に苦しめられ、

ドイツ側についたオーストリア=ハンガリー帝国は崩壊。参加の諸民族は独立国を

作りだす。同じくオスマン・トルコ帝国も崩壊し、中東は新たな線引きが英仏によって

引かれ、今日の中東の国境線が引かれることになる(サイクス=ピコ協定)。

そして新興国家アメリカの国際舞台での影響力が全面的ではなく、陰に陽に大きな影響力を

発揮する。アメリカの経済力に頼ることなくして世界経済は成り立たない状況が成立しつつ

あったのである。

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・第一次大戦後の世界をいかにつくるのかをめぐり、結局のこところ、世界の指導国は

失敗する。とりわけドイツへの苛酷な賠償請求がもたらした帰結はすこぶる大きい。天文学的な

ドイツ経済のインフレ、金融システムの不安定化などが生じ、ついには

大恐慌、そしてナチスがその間隙をぬって政権奪取、そして軍事の急速な強化をはかり、ヨーロッパは

再び第2次大戦に向かうことになった。

 戦争が終わった後、戦勝国イギリスと言っても、実体は後に参戦したアメリカによって連合国側に勝利が

もたらされた。イギリスは事実上、戦勝国とはとても言えない経済状況に追い込まれていたのである。

 やがてそれが顕在化するのが、エジプトのスエズ危機である。このとき、世界を動かすのは、

アメリカとソ連ということが明確になった。

それから米ソ冷戦構造の時代が1990年頃まで続き、その後は

アメリカ1国支配の時代に移行することになった。

・そしていま、気がつけば、アメリカの支配力は著しく弱まり、ロシアが大国化を意識する行動を

とり、中国も然りである。EUはいま思わぬかたちでピンチに追い込まれている。

それを指導できる力が、1年前までメルケルにあったのだが、いまやそれはほぼ消えようとしている。

新たな世界システムはどのようなかたちで落ち着くのだろうか。それとも不安定な方向に

彷徨することになるのであろうか。

 アメリカはいま大統領選挙に熱中しており、そのため、こうした世界情勢への対応には

遅れがちである。そのことをプーチンと習近平はもちろん百も承知で行動することだろう。

 明るい光はみえてこない。どう進展するのか分からないため、非常に不安定な時代を迎え

ようとしている。


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