2017年10月13日金曜日

トランプ政権内部の状況 ー 孤立度を深めているトランプ


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トランプ政権内部の状況 ー 孤立度を深めているトランプ

一般の場に出てくるトランプの表情や態度には、それほどこれまでと変わるところがないが、ホワイトハウス内部での状況は非常にとげとげしいものになっている。何よりもトランプの心理状況が尋常ではなく、不安定であり、周囲にあたりちらすようなことが、毎日のように生じている。会議を開いても、トランプはそれを聞いていない、もしくは聞こうとせず、自分のインパルスで、早朝、刺激的なことをツイートするのが通常である。その内容もきわめてとげとげしいもので、とりわけ内部の閣僚にたいし、辛辣な罵声を浴びせかけることは数え切れないほどである。トランプの激昂をいかにして抑えるかが、閣僚にとっても大変な負担になっている。
 ボブ・コーカーが、ホワイト・ハウスを評して「大人 (老人) のケア・センターと化している。ケア・マネージャーがいないと何をしでかすかわからない」的表現をしているが、これは真実をついているようである。というのは、ホワイト・ハウス内部で生じていることは内部目撃者が外部に状況をリークし続けているからである。ある大手メディアは10数名の内部目撃者から聞いた話をもとに内部で起きている状況を記事にしていたりする。
なにせ、トランプの気まぐれで、これまで何人の閣僚が辞任したか分からないほどであるし、重要なポストが空席のままになっている官庁も少なくないという異常事態に陥っている。
 ボブ・コーカーによれば、ホワイト・ハウスでトランプの恐るべき蛮行を阻止できる (コーカーは第3次大戦のことを言っている) のは、いまやマチス、ティラーソン、コーンのトリオだけである。ティラーソンは、トランプを底抜けの馬鹿と呼んだことが明るみになっているが、両者の仲はずっと険悪なままである。コーンは主席報道官に7月なり、トランプの暴走を抑えることが期待されていたが、実際にはまったく抑えが効かなくなっている。コーンとトランプの仲も険悪であり、コーンは辞めたいと思っているが、国防という大義のために残っているようである。マチスは最後のよりどころである。
 いま非常に危惧されているのは、トランプが核攻撃を指令しようとしたときのことである。そのとき、マチス、コーンなどの軍人がそれにたいしどういう行動をとるか、が注目されている。
 最近、トランプは「ホワイトハウス内の人間は、ごく一部を除いて全員嫌いだ」という発言をしている。明らかにトランプは孤立している。もともとだれかに頼るタイプの人間ではなく、「俺が神」的人間だから、つねに孤独なのかもしれないが、やはり人間であるから、こうした心理状況の告白は、彼が核ボタンを持っている人物であるだけに、放置できない問題なのである。
 メラニアとの不仲説も周知の事実である。2人は距離を開けてつねに歩いている。アメリカ人がこうしたよそよそしい態度をとるのは、アメリカのメディアでもよく取り上げられている。あるとき、飛行機から降りてきたとき、両者は2,3段離れていたし、迎えの車にトランプは先に乗ってドアを閉めてしまったため、メラニアは反対側に回って乗り込むというシーンが流れていた。メラニアはすでに、かなり前から他の人物と関係をもっていること、これまた周知の事実である。
 あのバノンが述べた次の評価も注目をひいている。「トランプは大統領を任期まで完了できる見込みは30%。トランプにたいし、深刻なのはインピーチメントではなく、憲法25条修正条項である旨を話したことがある。トランプは、「それ何」と、存じていない様子であった」と。
 一番の問題は、いかに早くトランプを大統領職から引き下ろすかである。第3次大戦がこのような男によって引き起こされることがあってはならない。それにしてはアメリカの政治家の行動はまだ緩慢である。