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トランプ、内外に危機をばらまく いよいよ、トランプの危険な兆候が全開状況になっており、アメリカ内部、世界がこれまでにないほど、危機的な状況に陥ろうとしている。 ・イランとの核合意から撤退するとの脅し イラン核合意にもかかわらず、トランプによれば、イランは合意の「精神」を踏みにじっている。この「精神」を矯正するためにわれわれが要求する次の事項（省略するが、けっしてイランが実行することのない事項）を実行しなければ、この合意から撤退する。 ほぼこういう内容の脅しである。イラン核合意のもつ意味をまったく理解しない、そしてイランが合意事項を遵守しているという了解がすべての関係国のあいだにあるにもかかわらず、ここで「精神」なる抽象的なものを持ち出してきて、そのうえで、勝手な要求を突き付けようとしている（そしてそれらの要求はイラン核合意とは何ら関係のないものである）。 イランがこれに応じることはありえないし、他の署名国も然りである。したがって、この先に行きつくのは、アメリカが一方的に合意から降り、そして議会に経済サンクションを議決させようとする行動に出ることになる。この場合、議会がどういう反応を示すのかは、非常に重要な意味をもつ。議会、とりわけ共和党がトランプのこの狂気の、そして世界からアメリカを益々孤立させるだけの、さらには中東の情勢をきわめて悪化させる(イスラエルとサウジだけがトランプのこの行動を支持している) だけの行動にたいし、「勇気ある」行動をとることができるか、という問題だからである。 ＊＊＊ もう１つは、オバマケアをかなり危機に陥れるアクションを、トランプが、おそらくは自らだけの判断で行い、大統領令を出したことである。 とった措置は２つ。１つは、政府が援助している治療補助（例えば、治療に100ドルかかるとすると、患者は10ドル払い、残る90ドルは政府が払う。なお数値は、例えば、の数字）を執行停止にする措置。これにより、2000万人近い人がこの影響を受ける。近いうちに患者は医療費が高騰することになり、貧困層は治療を断念するしかなくなる事態が出現する。 もう１つは、生命保険会社が独自の保険プランを販売することを許可する措置。結果として、保険は短期間、かつ選べる保険対象項目が減少し、既往者は除外されることになり、結果的に今後の保険料は高騰することが確実とされている。 こうした措置をとる意味は、ただでさえミドル・クラスの没落がアメリカ社会の大きな問題となっているときに、さらなる階級的亀裂をもたらすものである。トランプには、人々への慈愛というものは、まったく欠落していることが明らかである。 このことは、プエルトリコにたいするスタンスにも顕著である。トランプが口にするのは 苦しむ人々を救済することではなく、プエルトリコはハリケーンの前から巨額の財政赤字をもたらしてきた場所であり、いままたハリケーンでさらなる財政負担をアメリカにもたらしている、的発言に終始している。そして、これ以上、援助を続けることはしない、的な発言にまで至っている。 下記のサイトのなかに、有名な精神科医の発言があるが、それによると、「トランプは、自己の内部からの声でしか動かない精神疾患をもつ人物であり、きわめてアメリカ、世界にとって危険な人物である」とある。 ＊＊＊ 思うのは、国会、とりわけ共和党議員が、こうしたトランプにはっきりと「ノー」をつきつける集団的行動に至れるかが、１つの大きなカギになっている、という点である。いまの下院議長のライアンなどは、話にならない人物である。いまでもトランプにすりよっているような発言を繰り返している。 もう１つの問題は、トランプは、ツィッターと支持者にたいする選挙演説的行動を撮り続けている点である。彼の講演は、一種の大衆扇動的シーンの演出であり、その点でトランプは長けている (彼は字や文章は読めないが、ある種の大衆を惹きつける扇動者的能力をもっている)。この点があるため、トランプは自己陶酔を続けることができている。こうした場面で、参加者が一斉にブーイングを行い、だれも彼の話を聞かなくなる・・・そういうシーンが実現したとき、彼はおしまいになる（が、そうしたシーンは今のところ、考えにくい）。 アメリカの多数のサイトでは、トランプの精神状況とそれを抑える必要のある内閣の閣僚、 つまり、マティス、ケリー、ティラーソンとのあいだの緊迫した状況が続いていることが、大きく取り上げられている。彼らは次のような話をしていることが知られている。「トランプはフットボールをもちだしてきたとき、それにどう対処するか」という話である。それほど事態は緊迫している (日本の政治状況は選挙に走っており、まったくのノーテンキである)。 トランプ イラン核合意からの離脱声明 https://www.youtube.com/watch?v=1apy_Ojk0xY RT 2017/10/13 に公開 Objectively speaking, what is called the Iran nuclear deal is a milestone for non-proliferation and diplomacy. According to the International Atomic Energy Agency, Iran is in compliance with the agreement signed during the Obama administration. Donald Trump knows this. So why does he want to trash the agreement? *** https://www.youtube.com/watch?v=Wo4yfWm0qwo The LAST WORD The News Trump today 2017/10/13 に公開 The LAST WORD *** https://www.youtube.com/watch?v=PqcPZa81Z8g Psychiatrist Robert Jay Lifton on Duty to Warn: Trump’s “Relation to Reality” is Dangerous to Us All Democracy Now! 2017/10/13 に公開 https://democracynow.org - As Vanity Fair reports some of President Trump’s closest aides and advisers say he is “unstable” and “unraveling,” and that the White House is increasingly consumed by chaos, we speak with Robert Jay Lifton, a leading American psychiatrist and author of more than 20 books about the effects of nuclear war, terrorism and genocide. *** https://www.youtube.com/watch?v=FpM2gI114A8 Robert Jay Lifton on the Apocalyptic Twins of Nuclear and Climate Threats & Reflections on Survival Democracy Now! 2017/10/13 に公開 チャンネル登録 33万SUBSCRIBE SUBSCRIBED UNSUBSCRIBE https://democracynow.org - We spend the bulk of the hour with Dr. Robert Jay Lifton, a leading American psychiatrist and author of more than 20 books about the effects of nuclear war, terrorism and genocide. As NBC News reports President Trump has called for a nearly tenfold increase in the United States’ nuclear weapons arsenal, and as he threatens to attack North Korea and decertify the landmark 2015 Iran nuclear deal, Lifton examines what he calls the “apocalyptic twins: nuclear and climate threats.” His new book is titled “The Climate Swerve: Reflections on Mind, Hope, and Survival.” |
平井俊顕 （ひらいとしあき・経済学者・上智 大学名誉教授) 資本主義社会、市場と国家、自由と統治、自由貿易と保護主義、グローバル資本主義のゆくえ等の問題を追究することを目指しています。
