政権の体をなしていないトランプ政権
当初からそうであるが、トランプは閣僚の見解を一向に考慮することはない。閣僚会議などトランプにとってはほとんど暇つぶしである。彼は、そうした会議で何が話されようと、翌朝早くのツイッターで、公衆に向かって、自分の独断に満ちた考えを垂れ続けている。そして自分の見解と異なることを閣僚が語ると、即座にツイッターで、個人攻撃を行う。このパターンはいやというほど繰り返されてきており、今後も変わることはない、と断言できる。
下記は、防衛長官マティスが議会で証言したことを扱っている。トランプは国連総会での演説で、イランをテロリスト国家として糾弾し、イランとの核合意から離脱することを示唆していた。そしてこのことは、イスラエルのネタニヤフを狂喜させ、後日サウジもこの発言に賛意を表明させることになった。
マティスは、トランプのこの見解とまったく反対の見解を披露したのである。イランは核合意を忠実に守っており、廃棄する理由は存在しない、と。
このことが意味することは、トランプとマティスのあいだにこの問題をめぐる意見の交換がなされていないということである。このような重要な問題を閣僚を交えて話し合いが行われていない、ということは、驚くべき状況である。そしてトランプは、マティスにたいしては一目をおく立場をとってきている。マティスは、何といっても軍の最高責任者で軍関係者の尊敬を集めている軍人である。
イランとの核合意については、10月15日がアメリカでの最終的判断の日となっている。ここにきて、マティスが反対の立場を公言したことは、これから10日間の重要な争点になるわけである。アメリカをのぞく合意国のすべては、イランが核合意を忠実に順守していることを公言しているなか、何の証拠もなく、この合意から退くことを明言しているトランプという人物は一体何なんだろうか。おまけに「テロリスト国家」イランとしての批判は、第1に核合意とは関係のない問題であること、第2に、テロリスト国家イランというのはじつはサウジがそうであることを歪曲した発言であること、などの事由により合意事項の歪曲であり、事実の歪曲である。
トランプの外交問題の本来の主役は国務長官ティラーソンである。が、周知のようにより重要事項は娘婿クシュナーに委ねるという、恐るべきネポティズムを露呈しているばかりか、ティラーソンを一貫して軽視・無視する態度を取り続けてきているから、いつティラーソンが辞任してもおかしくないことは、メディアでもつねに語られてきている。
トランプは北朝鮮問題について、その後も一貫して、「ちびのロケットマン」と評しながらツイートを続けており、核戦争の危険を一層炊きつけている。ティラーソンはこうしたなか、「北朝鮮との外交交渉の道はいくつかある」と発言しているが、これにたいし、トランプは「そんなむだなことをしても意味はない」的ツィートをしたばかりである。外交ルートを探ることを止めろ、ということは、軍事的対決しか方策はない、ということと同じ意味である。
トランプには、自分がすべての男である。「そして自分は何を述べても、そして以前と矛盾したことを述べたとしても、自分の述べたことはすべて正しい」というDNAが精神病的症状として埋め込まれている、と見るのが、一番彼を正しく理解することができる。自分は神だから、その声をツィートと演説(これは通常の演説ではない。パフォーマンスであり、自分の正しさ、偉大さをほらまくる機会として使われている。述べられている内容は嘘八百である)で大衆に垂れる、というのが、彼の行動である。
早く、彼を辞任させないと、世界の混乱は一層激しいものになる。
US defense secretary breaks with Trump in backing Iran nuclear deal
James Mattis said it was in the US national security interest to remain in
the agreement during a Senate hearing, making it harder for Trump to withdraw
·
Julian Borger in
Washington
The US defense
secretary, James Mattis, has backed the nuclear deal with Iran, saying it is in the
interests of national security to maintain it, breaking with Donald Trump and
potentially making it harder for the president to withdraw from the deal.
The timing and
nature of Mattis’s remarks are particularly significant because Trump has
threatened to withhold certification of the 2015 international agreement in a
report to Congress due on 15 October . Under the relevant legislation, the
administration has to certify whether Iran is in material breach of the agreement, or if the
deal is not serving the national interest.
Iran's foreign minister urges Europe to defy US if
Trump sinks nuclear deal
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After a
significant pause, the defense secretary replied: “Yes, senator, I do.”
At the same
hearing, the chairman of the US joint chiefs of staff, General Joseph Dunford
agreed that Iran was abiding by the deal, known as the Joint Comprehensive Plan
of Action (JCPOA), which he said had delayed Iran’s acquisition of nuclear
weapons. Last week, Dunford said the
US should uphold the agreement, in the absence of a clear Iranian breach, or
risk losing credibility when it came to signing future agreements.
Trump has
repeatedly lambasted the JCPOA – one of the most important foreign policy
legacies of his predecessor, Barack Obama – most recently at the UN general
assembly last month.
“Frankly, that
deal is an embarrassment to the United States and I don’t think you have heard
the last of it, believe me,” he said, raising expectations that he would not
endorse the agreeement .
Even if Mattis
does not immediately sway Trump’s position on the JCPOA, his opinion is likely
to carry weight with senators , who would be called on to decide the fate of the
date, if the president did not certify it on 15 October.
Asked later in
the committee hearing to explain his view on the deal, Mattis said. “The point
I would make is if we can confirm that Iran is living by the agreement, if we
can determine that this is in our best interests then clearly we should stay
with it,” Mattis added. “I believe at this point in time absent indications to
the contrary, it is something the president should consider staying with.”