(メモ)Corporate Capitalism
現在の資本主義をどう規定するのがよいのか、はじつは非常に難しい問題である。1980年代から急速に進行したグローバリゼーション、90年代初頭でのソ連圏の消滅(と資本主義路線の踏襲)、そしてグローバリゼーションの一層顕著な特徴としての金融グローバリゼーション。これらの結果として現出した現在の世界経済システムを、資本主義ということばでとらえるだけでは、何も明らかにすることができないからである。 いまの世界を見回すと、先進諸国 (アメリカ、日本、イギリス、ドイツなど) は、一番、「資本主義システム」という言葉でとらえやすい地域である。だが、いまや、中国はどのような基準でも現在の世界経済を考えるさいに、その存在を抜きに考えることは、大きな問題喪失を意味するものとなる。そしてこの国は、政治的には民主主義システムを踏襲しないままで今日に至っているが、それでいて「資本主義システム」を事実上採用している。インドも然りである。インドの場合、政治システムは民主主義システムを採用している、そしてすでにインドはPPP表示では日本より経済規模は大きくなっている。 その他には、政治的にはきわめて重要な存在感を増しているロシアが存する。ロシアは議会制民主主義を曲がりなりにも採用している国であり、資本主義システムを採用している国である。 世界を見回すと、中東、アフリカ、アフガンなどの広大な地域では、さまざまな形態の収奪や内乱で覆われており、多数の難民、飢餓がこれらの地域を襲っており、これらの地域の国を、資本主義システムといった枠でくくろうとすること自体、意味のない行為である。欧米資本からの収奪と現地政府との癒着といったことは、日常茶飯事で起きていることである。 *** アメリカにだけ、絞って考えてみよう。アメリカの資本主義は、定義上、もっとも資本主義的であるはずである。では、資本主義とは何か、だが、じつはこれは、経済学の範疇では捉えるこのできない段階に来ている、というのが現在の問題である。経済学では、経済主体である企業、家計は、いまでも完全競争的な状況を理想として考える習性があるし、 かりにそれから逸脱した寡占、複占、独占といった産業構造を考察する場合でも、あくまでも価格支配力のようなかたちでの経済的パラメーターで、その状況を分析するのがつねである。そしてそれらの影響を余剰分析的タームで評価するようなことが行われる。 しかし、現在のアメリカの資本主義を見る場合に、そうした見方では視野が狭く、現実を見誤る危険性が高い。 その理由は簡単である。今日では、巨大な企業は経済力だけではなく、「政治力」をもっており、経済システムを自らの都合のよいように政治的に政党にたいし指令する力を有するに至っている、という現実があるからである。 冒頭に書いた Corporate Capitalism とは、そうした視点に立ってアメリカ経済を捉えるものである。アメリカにあって、90年代以降には、民主党もこの罠にはまったというか、自らそうした方向に方針換えをする方向に走っていった。大企業は、自らの権益を守り、増進する意欲をもつ政治家、政党に巨額の献金を行い(現に、アメリカでは日本と異なり、そうした政治献金にたいし制限はない)、そしてその見返りとして関連する法案などを自らに有利なように策定・通過させることに、異常なほどの露骨な活動を見せている、というのがいまのアメリカ政治の特徴である。それゆえ、いまのアメリカの体制を実質的に支配しているのは、Corporate Powers である、とみる見解はかなり広範に見られる。
*** https://www.youtube.com/watch?v=pQ4AlwewH8Y&t=660
Thomas Frank: Why Democrats Lose Ed Mays 2017/04/21 に公開
Thomas Frank’s Listen Liberal: Or What Ever Happened to the Party of the People, published in March of 2016, was named as one of “6 Books to Help Understand Trump’s Win” by the New York Times. Frank (bestselling author of What’s the Matter with Kansas? and The Wrecking Crew) made a name for himself for his scathing critiques of Republicans. Now he turns his attention to his own party, arguing that liberals have lost sight of their goal to be a party that champions equity. To support his claim he points out that, after years of occupying the White House, the Democrats have done little to advance traditional liberal goals: expanding opportunity, fighting for social justice, and ensuring that workers get a fair deal. Indeed, the decline of the middle class has only accelerated. Wall Street gets its bailouts, wages keep falling, and the free-trade deals keep coming. In this low point for the Democratic party, Frank reminds them of their historic stance and contends that renewing those commitments is the only way to reverse the ever-deepening rift between the rich and the poor in America. Thanks to Seattle Town Hall and Elliott Bay Books Recorded 4/18/17
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